2015年6月9日火曜日

第590回 函館植物研究会学習会資料 平成27年5月9日宗像英明 「フキノトウ・ナニワズほか」を改変。 P1 ジンチョウゲ科  世界に44属500種とも50属800種とも 日本に5属15種程度 1.ジンチョウゲの名前の由来  ・ 香木の沈香のような良い香り丁字のような花をつけることから沈丁香  推古天皇の595年、淡路島に香木が流れ着いた。  燃やしたところ良い香りがしたので朝廷に献上した。日本書紀に記載  ・ 沈香とは ジンチョウゲ科ジンコウ属の木  自分の木部を病害虫によって浸食されたとき、ダメージ内部に樹脂を分泌。  原木の比重は0.4と軽いが、樹脂が付くことで比重が1より大きくなり、沈む「沈む香」で沈香。  ・ フトモモ科 チョウジ(丁字)インドネシアのモルッカ群島原産。  花蕾は釘に似た形をしているため,中国では[釘]と同義の[丁]の字を使って,丁子の名があてられた。  フランス語では釘を意味するClou英語のCloveもこれを語源と~する。  香辛料として肉料理 丁子油は日本刀のさび止。香気成分はオイゲノール(Eugenol)。  クローブの精油には殺菌・防腐作用 2.日本のジンチョウグ科  ミツマタ属ミツマタ:中国南部~ヒマラヤ、本州以南で栽培し和紙の原料に  シヤクナンガンピ属:屋久島固有種   アオガンピ属アオガンピ:琉球諸島、花は両性        ムニンガンピ:小笠原諸島固有種  ガンピ属ガンピ:静岡県掛川より西に分布、和紙の原料  ジンチョウゲ属(Daphne)ジンチョウゲ:中国原産、室町時代には日本で栽培、             日本にある木はほとんど雄株…挿し木で増やすのみ             カラスシキミ:隠岐諸島より東、日本固有種、常緑             オニシバリ:福島県以西、樹皮が強く鬼でもしばれるという意味             ナニワズ:福井・福島を結ぶラインから北、南千島、樺太南部まで Daphne:ギリシア神話にでてくる娘ニュムペー 独逸語で「ダフネ」、アポロンからの求愛を拒み続け、ついに月桂樹に姿を変える。 P2 3.ナニワズ  はっきりしない雌雄異株…平凡社日本の野生植物  おしべ8本が二段にある  雄花……尊筒が長い 雄花にもめしべがある  雌花……尊筒が短い 雌花にもおしべがある おしべに花粉のあるなし  ①雌花は自家受粉するか? 袋がけ→結実なし  ・j  ②雄花は自家受粉するか? 袋がけ→結実なし  ③雄花の中の柱頭には自分のおしべからの花粉がたくさん落ちて付いている.       開花前におしべを取る→結実した=自分の花粉が邪魔していた!       他の花の花粉を付けると結実率はさらに高まった。    ◇雄花ではなく、両性花                                           :  :推測 昔は両性花のみであった      自分の花粉が柱頭をおおってしまい,なかなか実ができにくくなってきた      突然変異で花粉ができない個体が生じた      結果的に結実率が上がった      遺伝が継承され今日に至った     雌花の結実率は両性花の2倍以上  :中間タイプの花   ・葯が橙色で尊から少し出ている……両性花の性質   ・蕚筒は短い、花粉の量が少ない……雌花の性質             それでも結実する場合がある  :別名ナツボウズ 初夏までに葉を落とす  :語源 古今和歌集     「なにわずに 咲くやこの花 冬ごもり 今を春べと 咲くやこの花」    ・大意    「難波に 梅の花が咲いたよ 今冬能りから覚めて 春が来たよと 梅の花が咲いたよ」    (紅梅は赤、ナニワズは黄???)    ・説:教養人はこの歌を知っていた     北国の冬ごもりから解放され,真っ先に咲く黄色い花を見て,この歌が思い出された     色や種類ではなく,「春いちばんに咲く」がキーワードになった                       1989年 深津 正 「植物和名の語源」より

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