2017年11月2日木曜日

一石投じたダルビッシュの冷静さ…WSでの人種差別的行為

……WSでの人種差別的行為……(一石投じたダルビッシュの冷静さ)   


 「前に進みたいという彼の気持ちに心を動かされた。

 人種差別的な行為があった翌日、MLBのロブ・マンフレット・コミッショナーが、ダルビッシュ有投手をこうたたえています。

 27日、あの「事件」は起きました。
 大リーグワールドシリーズ第3戦、、先発のダルビッシュ投手からソロ本塁打したアストロズのユリエキス・グリエル内野手がベンチに戻ったときのこと。
 アジア人を蔑視する行為(両目じりを引張目を細める)をし、「チニート」(スペイン語で小さな中国人を意味するアジアの人の蔑称)という意味を吐いたのです。
 明らかにダルビッシュ投手に向けられたものです。

 事態を重く見たMLBが両者から事情を聴き、すぐグリエル内野手の来期5試合出場停止が決まりました。

 この経過の中でのダルビッシュ投手の冷静で的確な振る舞いが、重苦しい事態を前に進めたのは間違いありません。

 同投手は試合後、ツイッターで投稿しました。「パーフェクトな人間はいない。あなたも僕もそうだ。彼がやったことは正しいことではない。けれども、僕は彼を非難するよりも、学ぶべきだと信じている。
 ここから何かを得ることができればそれは人類にとって大きな一歩になる」

 「罪を憎んで人を憎まず」の大きな心。それを2人の問題にとどめないところも素晴らしい。

 グリエル内野手もその後、すぐに過ちを認め、「心から謝罪する」との声明を出しております。

 大リーグには19か国の選手が参加シティます。
 850人を超える全選手中、3割の約260人が外国人選手です。
 様々な言語、人種が入り混じり合い、競い、認め合う。
 この多様性が大リーグの素晴らしさでもあります。
 同時にこれは、競技を通じて人と人を結びつけるスポーツの本質を映し出してもいます。

 そのスポーツの本質と人種差別が相いれないのは当然のことです。

 両選手と個別に話したマンフレット・コミッショナーは、こんな感慨を漏らしています。

 「こんな困難な状況の中で、彼(ダルビッシュ投手)の考えは模範となるほど素晴らしかった。
 …中でも特質するべき点は、このネガティブな出来事を人々が学び、深く理解するための機会にしたいという意見だ」

 ダルビッシュ投手の思慮深い言動には誇らしい気持ちにもなります。
 同時に、差別的風潮が強まる米国や世界に、この一石がしっかりと受け止められることを願ってやみません。
             (和泉民朗)2017年10月31日付けしんぶん赤旗

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